こんにちは、田中 です。
高齢の親が施設に入所した、転勤で家族全員が引っ越した、親子で同居・別居を始めた・・・
こうした生活環境の変化をきっかけにマイホームを売却する場合、税務上の扱いは想像以上に複雑です。
ちょっとした判断ミスや勘違いで、本来使えるはずだった
数百万円〜数千万円規模の税メリットを失うケースも、実務では珍しくありません。
こちらでは、マイホーム売却・相続・扶養・介護・贈与に関する実務ポイントを、2026年1月1日時点の税法制を前提に、分かりやすく整理します。

居住用財産の3,000万円特別控除とは
正式名称は、居住用財産の譲渡所得の特別控除(租税特別措置法35条)と言います。マイホームを売却して利益(譲渡所得)が出た場合、一定の条件を満たせば 最大3,000万円まで控除できる制度です。
この特例で最も重要なのは、「誰が・どのように住んでいた家か」という点です。
高齢の親が施設に入所した場合
空き家のまま売却するなら、原則問題なく使えます。
高齢や病気などを理由に、親が老人ホーム・介護施設等へ入所した場合には、一定の要件を満たせば入所後に住んでいなくても居住用財産として扱われる特例があります。
一般的な要件は次のとおりです。
これらを満たせば、「現在は住んでいないが、もともと居住用だった家」として、3,000万円特別控除が原則適用可能です。
家族(息子・娘など)が住んだ場合はNG
「空き家にしておくのはもったいないから、子どもが住んだ」実務で非常に多いのが、このケースです。
この場合、たとえ
としても、親が施設に入所した後、子どもが生活拠点として住んだ時点でアウトです。税務上は、親の居住用ではなくなった→ 3,000万円控除は原則使えない と判断されます。
転勤の場合の扱い
単身赴任で家族が住み続ける場合
この場合、家族の居住=本人の居住と同視されるため、売却時に3,000万円控除は原則適用可能です。
転勤で家族全員が引越し、賃貸に出した場合
この場合、3年以内であっても3,000万円控除は使えません。
理由は明確で、一度でも賃貸に出した時点で「居住用財産」ではなくなるからです。
といった事情は、原則として関係ありません。

相続が発生した場合の注意点
小規模宅地等の特例
施設入所前に、
といった場合は、条件次第で 小規模宅地等の特例(評価額80%減)が使える可能性があります。
ただし注意点として、施設入所後に子どもがその家に住んでいた場合は、被相続人(親)の居住用宅地と認められない→ 原則として特例適用は難しい、と判断されるリスクが高くなります。
空き家特例(相続した空き家の3,000万円控除)
いわゆる「空き家特例」は、要件が非常に厳しい制度です。
主な条件は、
というものです。相続前に子どもが住んでいた場合は、生計一であっても原則適用不可です。
高齢の親を扶養にすることで使える控除(所得税)
1. 扶養控除(老人扶養親族)
年齢要件
※かつては60歳以上でしたが、2026年時点では 70歳以上が老人扶養親族 です。
所得要件
年金のみの場合、概算で 年金収入約158万円以下 が目安です。
控除額(同居・別居)
※いずれも、生計を一にしていることが前提です。
2. 医療費控除
対象となる費用:
注意点:
3. 障害者控除
控除額:
※扶養控除と併用可能(扶養に入れている場合)

親名義の家を子がリフォームした場合
この場合、原則として親への贈与とみなされます。
主な回避・緩和策
まとめ
高齢の親・転勤・同居といった状況の変化によって、マイホーム売却・相続・控除・贈与の扱いは大きく変わります。
重要なのは、
この3点を事前に整理することです。それだけで、数百万円〜数千万円規模の税メリットを逃さずに済むケースも少なくありません。実際の適用可否は個別判断が必要ですが、「動く前に整理する」これが最大の節税対策です。
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