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マイホーム購入で混乱しやすい「3点セット」 ―「タイミング」が少しズレると非課税のはずの資金に贈与が課税される!?―

こんにちは、田中 です。

マイホーム購入のご相談で、実務上いちばん混乱しやすいのが、次の3つです。

  • 親からの住宅取得資金贈与
  • 住宅ローンの利用
  • 確定申告(贈与税・住宅ローン控除)

それぞれ単体では分かっていても、組み合わせようとすると「タイミング」が少しズレるだけで

  • 非課税だと思っていた贈与が課税される
  • 住宅ローン控除が受けられない

といったことが、実際に起こってしまうので注意が必要です。

住宅取得資金贈与は「もらってから買う」が鉄則

住宅取得資金の贈与税非課税措置には、極めて重要な原則があります。

「住宅を取得するために使うお金は、支払う前にもらうこと」

たとえば、次のケース。

  • 手付金:300万円(自己資金で支払済)
  • 残代金:4,700万円
  • 契約後に親から贈与:1,000万円

この場合、

  • 贈与1,000万円 → 残代金に充当した部分のみ非課税対象
  • すでに支払った手付金300万円を後からもらったお金で充当 → 非課税は不可

ここを混同して、「住宅のためのお金なんだから、全部OKでしょ?」と思われる方が非常に多いのが実情です。

つまり、

  • 住宅を買った“後”にもらったお金
  • もらったお金を住宅ローン返済(繰上返済)に充てる

これらは、たとえ住宅目的であっても非課税にはなりません。

実務では、「家を買って、あとから親が援助してくれた」というケースが本当に多いのですが、この場合は、原則、贈与税の対象になります。

非課税にしたいなら、贈与のタイミングはいつ?

非課税にするための贈与タイミングは、次のイメージです。

  • 買付前〜買付時・・・ 非課税適用◎(実務上は慎重) 制度上問題ないが証明リスクあり
  • 手付金・頭金支払前・・・非課税適用◎ もっとも安全
  • 売買契約締結後〜決済前・・・非課税適用◎ 残代金部分のみ対象
  • 決済・引渡し後・・・非課税適用✕ 原則アウト

なぜ「買付前〜買付時」は慎重と言われるのか

買付前、または買付と同時に贈与を受けること自体は、制度上、直ちに否定されるものではありません。

贈与資金が、頭金・残代金として実際に住宅取得に使われている流れを説明できれば、非課税と扱われるケースは多いです。

ただし、買付段階では不確定要素が多く、

  • 買付が白紙になる
  • 物件や金額が変わる
  • 贈与資金が一時的に生活費等と混ざる

といったことが起こりがちです。

そうなると、「このお金は、本当にこの住宅の取得に使われたのか?」という説明が難しくなります。そのため、実務上は慎重な扱いが必要になります。

住宅ローンと住宅取得資金贈与は併用できる?

結論から言うと、併用は可能です。ただし、ここでも重要なのは「タイミング」です。

典型的なOKパターン

親から贈与を受ける → その資金を頭金に充当 → 残りを住宅ローンで借入

この場合、

  • 贈与部分 → 住宅取得資金贈与の非課税
  • ローン部分 → 住宅ローン控除

それぞれを適用できる可能性があります。

「入居開始日」が2つの制度で違う

ここがいちばん混乱しやすいポイントです。

① 住宅取得資金贈与の場合

  • 原則:贈与を受けた年の翌年3月15日までに入居
  • 形式だけでなく、実際に居住を開始していることが必要

贈与税の申告期限と、入居期限は原則、同じ日になります。

② 住宅ローン控除の場合

  • 住宅取得後6か月以内に入居
  • その年の12月31日まで引き続き居住

現行制度では、2025年12月31日までの入居が原則要件ですが、2026年度(令和8年度)税制改正大綱により、2026年1月1日〜2030年12月31日までに入居した場合も住宅ローン減税の適用が可能とされています。

「確定申告」という言葉に要注意

こちらも、よくある誤解です。

① 贈与税の確定申告

  • 申告期間:2月1日〜3月15日
  • 対象:前年1月1日〜12月31日の贈与
  • 非課税でも申告は必須

② 住宅ローン控除の確定申告

  • 初年度のみ確定申告が必要
  • 2年目以降は年末調整可
  • 入居年・年末残高が重要

同じ「確定申告」という言葉でも、中身・書類・考え方はまったく別物です。

まとめ

マイホーム購入では、

  • 贈与は「いつもらったか」
  • 住宅は「いつ買ったか」
  • 控除は「いつ住み始めたか」

それぞれ見ている日付が違います。

すべて「住宅の話」なのに、制度ごとに基準日がズレているため、実務では話が噛み合わなくなるのです。

だからこそ重要なのは、契約前に、一度「時系列」を書き出すこと です。

  • いつ贈与を受けるのか
  • いつ手付金・残代金を支払うのか
  • いつ入居を開始するのか

これを整理するだけで、防げる税務ミスは本当に多いと感じています。

マイホーム購入は、「物件選び」や「ローン金利」ばかりに目が行きがちですが、お金の流れとタイミングも同じくらい重要です。

もし、

  • 親からの資金援助を考えている
  • 贈与と住宅ローンをどう組み合わせるか悩んでいる
  • この流れで本当に非課税になるのか不安

そんな場合は、契約前のタイミングで一度整理するだけでも意味があります。

弊社では、物件ありきではなく、時系列と実務の整理から一緒に考えるそんなスタンスでお手伝いしています。お気軽にご相談ください。

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