築40〜50年・満室アパート 建物だけを法人に移すとき、価格はどう考える? - 【王子エリア周辺の不動産売却】センチュリー21あすみ

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田中ブログ

築40〜50年・満室アパート 建物だけを法人に移すとき、価格はどう考える?

こんにちは、田中 です。

相続対策や資産管理会社の活用を検討していると、意外とよく出てくるテーマがあります。

「土地は個人のまま、建物だけを法人に移す」

というケースです。

特に都内23区では、

・土地価格が高すぎる
・土地を動かすと税金インパクトが大きい

という理由から、土地は個人所有のまま残し、建物だけ法人に移すという設計が検討されることがあります。

ただしこのとき、必ず出てくる問題が、「建物の売買価格をいくらにするのか?」という論点です。

実はこのテーマ、唯一の正解がある話ではありません。ただし、実務では、ある程度共通した“考え方の軸”があります。今回は、その整理をしてみます。

まず理解しておきたいこと

評価は目的で変わる

同じ築40〜50年のアパートでも、何のために評価するのかによって、数字の作り方は大きく変わります。評価は、「正解を出す作業」ではなく「目的に合う数字を作る作業」という側面が強いからです。

大きく分けると、次の3つの世界があります。

① 相続税評価の世界

まず一つ目は、相続税の評価です。ここでは見るべきものは非常にシンプルです。

土地
→ 路線価

建物
→ 固定資産税評価額

つまり、国が決めたルールで評価する世界です。

ここでは、

・満室かどうか
・家賃がいくらか
・収益性が高いか

といった市場の実態は基本的に考慮されません。

そのため、

・土地は数億円
・建物は数百万円

という評価になることも珍しくありません。

実務ではよく「こんなに収益が出ているのに建物評価がこんなに低いの?」という疑問が出ますが、相続税評価はそういう世界と理解しておく必要があります。

② 実勢価格(売却価格)の世界

次に、売却価格(時価)の世界です。ここでは考え方が一気に変わります。

見るポイントは

・立地
・家賃水準
・利回り
・将来の建替え余地

など、市場がどう評価するかになります。

この場合、実務では土地+建物をセットで評価されます。

築古アパートの場合、よくある整理は「基本は土地値」です。

ただし

・満室
・安定収益

であれば、建物にプラス評価が付くこともあります。

ただしここでの建物価値は、建物単体の価値ではなく多くの場合土地を活用できている状態の価値です。

③ 建物だけ法人に移す場合

土地は個人、建物だけ法人というケースです。ここでは、実務上かなり特殊な作業が起きます。

それは、本来セットで評価されるものを無理やり分けるという作業です。

つまり

土地価値
建物価値

を人工的に切り分けることになります。

このため、価格設定には一定の合理性が必要になります。

よくある誤解

建物価値ゼロという感覚は正しいか

築40〜50年の木造アパートだと、市場感覚では

・建物価値ゼロ
・土地値

という言い方をされることがあります。

しかし、税務の観点では必ずしもゼロとは言い切れません。

なぜなら

・現に賃料を生んでいる
・取り壊されていない
・使用されている
・満室

という状況であれば、経済的価値が存在すると整理されることが多いからです。

つまり、

「古い=価値ゼロ」

という単純な話ではありません。

建物移転価格の考え方(実務)

① 固定資産税評価額を基準にする

最もよく使われる方法です。

理由はシンプルです。

固定資産税評価額は

・市町村が算定
・一定の第三者性
・説明がしやすい

という特徴があります。

特に、相続で取得した築古建物の場合、固定資産税評価額はかなり低く出ていることが多く、実務では最低限の時価として採用されることがあります。

② 簿価(未償却残高)を基準にする

もう一つの考え方が、帳簿価額です。

相続取得した建物の場合、相続時評価額を基準に減価償却を進めているケースが多く、その未償却残高を売買価格とする方法です。

ただし、

・相続税評価が低すぎる
・満室で高収益

といった場合には価格の妥当性を補足説明できるようにしておくことが望ましいとされています。

③ 収益還元(補助的な考え方)

理屈としては、家賃収入から収益還元で建物価値を算定することも可能です。例えば、NOI利回りから逆算する方法です。

ただし、ここで大きな注意点があります。それは、収益の源泉がどこにあるのか、ということです。

都内の築古アパートの場合、収益の多くは立地(=土地)に依存しています。土地を法人に移していない以上、その収益をすべて建物価値として計算するのは不自然と考えられるケースもあります。

そのため実務では、収益還元は補助的な説明材料として使われることが多いです。

実務で多い「落としどころ」

実際の現場では、多くの場合、固定資産税評価額〜簿価(未償却残高)のレンジ内で合理的な価格を設定し、その理由を説明できる状態にしておくという形です。

整理としては

立地価値
→ 土地

建物
→ 今使えている器

という位置付けです。

見落とされがちな論点

建物移転を検討する場合、価格以外にも重要な論点があります。

土地使用関係

建物を法人が所有し、土地を個人が所有する場合、土地の使用関係が問題になります。

例えば

・地代を設定するのか
・使用貸借なのか

この整理は税務上も重要な論点になります。

消費税

建物売買には、消費税が発生します。

価格が高すぎれば資金移動が大きくなり、安すぎても不自然に見える可能性があります。バランスが重要です。

将来の出口

見落とされやすいのが、出口設計です。

例えば

・法人の建物簿価
・将来の建替え
・法人清算

入口だけでなく、将来まで一貫した設計が重要になります。

まとめ

築40〜50年の満室アパートの建物移転価格には唯一の正解はありません。

ただし、実務では次の3点が重要になります。

・説明できること
・一貫性があること
・土地価値を建物に載せすぎないこと

相続対策や法人化を検討する際には、度立ち止まって整理しておきたいテーマと言えるでしょう。

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