家族信託をざっくり学ぼう - 【王子エリア周辺の不動産売却】センチュリー21あすみ

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田中ブログ

家族信託をざっくり学ぼう

こんにちは、田中です。

信託(しんたく)とは、ある人(委託者)が、自分の財産を信頼できる別の人(受託者)に託して、その財産を特定の目的のために管理・運用・処分してもらう制度のことです。

信託は、民事信託と商事信託の2種類あり、それぞれ使い分けられています。最近、身近になりつつある家族信託は民事信託の1つになります。

将来、自分が認知症になるかもしれない・・・もしものときのために不動産を長男に管理してもらいたい・・・

信託の目的

  • 認知症による財産凍結を防ぎたい
  • 相続対策として、遺産分割トラブルを防ぎたい
  • 遺言よりも柔軟に財産の承継ルートを設計したい

たとえば:あなたが高齢のお父さんだとします。「自分が元気なうちは、自分で不動産やお金を管理できるけど、将来、認知症などになったら管理できなくなるのが心配…」そこで:お父さんが、信頼できる子どもに「管理をお願いする契約」を結びます。

このとき、お父さん:委託者(いたくしゃ) / 子ども:受託者(じゅたくしゃ) / 財産を使って利益を受ける人(通常はお父さん自身):受益者(じゅえきしゃ)と言います。

信託という制度は、勝手に自己流でやっていいものではなく、ルールを定めた「信託法」という法律に従って行われます。信託法では、たとえば「受託者は勝手に財産を使っちゃダメ」「信託契約はちゃんと内容を書面で残す必要がある」「委託者が亡くなったらどうするかも事前に決めておく」などきっちり定められています。

「信託証書」とは?

正式名称:信託契約書(信託契約証書) 通称:信託証書 のことで、信託契約の内容を記した「契約書」を作成します。信託法に沿って正しく契約・運用されなければ無効になったり、トラブルになることを防ぐために、「誰が」「何を」「誰のために」「どう管理するか」などを詳細に記載します。

信託に登場する基本3者とは?

  • 委託者(いたくしゃ):財産を預ける人 (例:財産の持ち主(親など))
  • 受託者(じゅたくしゃ):財産を管理・運用する人(例:財産を託される人(子など))
  • 受益者(じゅえきしゃ):財産から得られる利益をもらう人(利益を受ける人(親本人、子、孫など))

誰が作る? 民事信託(家族信託)の場合

  • 作成主体:原則、委託者と受託者の当事者間で契約書を作成
  • 専門家:司法書士、弁護士、行政書士、FPなどがドラフトや助言を行う(特に不動産がある場合は司法書士が必須)
  • 登記:不動産を信託財産とするなら、信託登記を司法書士が実施

※ 民事信託の場合、「公正証書にするかどうか」は任意ですが、トラブル防止のため公正証書にすることが推奨されます。

信託を使わなくても遺言があれば十分なんじゃないの?

それぞれの特徴や使いどころが大きく異なります。

① 信託(特に家族信託)

  • 生前の元気なうちに契約しておく
  • 認知症などにより判断能力が落ちても、家族が財産管理できる
  • たとえば、「親が認知症になったら、長男が賃貸不動産を管理」「親の死後は、障害がある次男を受益者に設定したい」

生前対策+継続的な管理+承継設計までできるのが最大のメリットです。

② 遺言

  • 死後に財産をどう分けるか、本人が一方的に指定できる
  • 公正証書にしておけば、効力も高くトラブル防止
  • 「特定の子にだけ不動産を相続させたい」など、意思を明確にしたい場合に有効

遺産分割で揉めないよう「指示書」を残しておきたいときに利用します。

③ 遺産分割協議

  • 遺言がない・不完全な場合、相続人全員で話し合う
  • 相続人全員の合意が必要なので、誰か一人でも納得しなければ分割できない
  • 不動産が複数人名義になったり、感情的トラブルに発展しやすい

遺言・信託などの準備がなかった場合の最終手段です。

信託(特に家族信託)の主なメリット

  • 認知症対策
  • 柔軟な資産管理
  • 承継の自由度の高さ

などがあります。ただし、制度の正確な理解と綿密な設計・実行管理が不可欠です。

信託(特に家族信託)の主なデメリット

  • 手続きが複雑で専門家が必要:契約書作成、登記、税務処理など、制度の理解と正確な実務が不可欠→ 弁護士・司法書士・税理士などの協力が必要になる
  • コストがかかる:契約書作成、登記、財産の名義変更、公証人費用など→ 数十万円~100万円超かかることも
  • 受託者に知識と責任が必要:財産の管理・運用・記帳・受益者への対応など責任が重い→家族が受託者になる場合、プレッシャーや不安も
  • 原則として一度設定すると取り消しが難しい:解除・変更には受託者・受益者の合意など条件が必要→ 内容をよく練らないとトラブルの火種に
  • 税務面の扱いが複雑になる場合がある:信託財産=元の所有者のものとして扱われるが、特殊な処理も発生することがある→ 税理士と連携しないと申告ミスのリスクも
  • 不動産の登記変更などで手間がかかる:名義を「受託者名義」に変更する必要があり、不動産登記も必要→ 管轄法務局に登記申請、登録免許税もかかる
  • 金融機関の対応がバラバラ:信託口座の開設に対応していない銀行もある(特に家族信託)→ 信託契約書を持参しても断られることがある
  • 遺留分との関係に注意が必要:遺言と違い、信託で一部の相続人に有利な設計をすると、将来トラブルの元に→ 法律的に問題ないが、感情的対立が起きやすい
  • 継続的な管理が必要:契約後も受託者による記帳、収支管理、報告などが続く→ 長期間にわたり「手間」が発生する点は見落とされがち

こんなケースでは特に注意が必要

  • 相続人が仲が悪く、後から異議が出る可能性がある
  • 受託者に知識・管理能力・信頼性が足りない
  • 将来の税制変更や家族状況の変化に対応しにくい契約内容になっている
  • 認知症発症前ギリギリで契約する(意思能力が問題視されやすい)

一度契約が成立し、登記などが完了すると、その後に「やっぱり戻したい」「やっぱり別の人に託したい」「家族の仲が変わった」などの感情的・状況的な変更を簡単には反映することができません

もうひとつ、「信託」と似た仕組みで「法定後見制度」があります。どちらも高齢者や判断能力が低下した方の財産を守ることを目的としていますが、仕組み・柔軟性・目的が全く異なります。

「信託」と「法定後見制度」の違い

① 信託(家族信託)

  • 財産の 生前管理・承継対策
  • 本人が 元気なうちに契約で開始できる
  • 本人が希望する人を「受託者」に選べる
  • 柔軟性は高い(契約内容を自由に設計できる)
  • 不動産・預貯金・有価証券など、希望する資産を設定できる
  • 管理は比較的自由に活用・運用・再分配も可能

信託は「予防策」、信託は元気なうちに準備する「攻めの財産管理」です。

② 法定後見制度

  • 判断能力が低下した人の財産を守る
  • 本人の判断能力が低下した 後に家庭裁判所が開始
  • 家庭裁判所が「成年後見人」選任する
  • 柔軟性は低い(法律に基づく厳格な管理)
  • 本人名義の財産全般(原則、売却などに制限あり)
  • 原則、保守的管理(元本を減らさない)

後見は「事後対策」、後見制度はすでに判断力を失った後の「守りの仕組み」です。

すでに認知症を発症してしまった場合、もう手遅れか?

信託契約は契約行為なので、本人の判断能力(意思能力)があることが前提です。すでに認知症を発症して「契約ができない」状態であれば、信託契約を新たに結ぶことはできません。

相続発生までにできる選択肢は?

  • 法定後見制度の申立て・・・家庭裁判所に申し立て、後見人を選任。本人に代わって財産管理を行う
  • 見守り/何もしない・・・最小限の支出でやりくりしていく(ただし、必要な売却や契約行為ができなくなる)
  • 相続発生まで待つ → 遺産分割協議・・・本人死亡後、法定相続人で分割協議をして処分する(ただし、認知症発症中の財産は凍結状態)

「信託」の目的と手段を混同しがちですが、実際は「何のために、どの程度の資産を、誰のためにどう使うか」を明確にすることが重要です。まずは、家族の希望や想いから目的を考えるところから始めてみてはいかがですか。 

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